骨足りないし心臓多い

考えてること書く

動悸のことを考える

4年前の診断以来、頑なに貧血ということにしていた動悸、ふらつき、めまいなどの症状が、WPW症候群のせいだったことが先日判明。

 

WPW症候群とは

https://medicalnote.jp/diseases/WPW症候群

 

貧血の診断が降りる前年には実は高校の健康診断で「動不整脈」と言われており、WPW症候群は発覚しなかったものの、既に5年前から私には頻脈の症状がつきまとっていたらしい。

そんなこともあって、私は身体の中で異様に心臓の存在感を感じるようになっていた。きっかけは4年前、貧血の診断が出たときで、当時私はかなりの鬱傾向にあった。人間の感情と身体状況は相関関係であるということを母から聞いた。母は不整脈で、私の小学校受験期にはストレスが重なって脈拍が飛ぶ症状が重くなり、一度私に「ママに何かあったらここに電話して」と実家の電話番号を渡してきたこともある。心臓に具合が悪いところがあると、大したことはないのに「死ぬんじゃないか」という思考に支配される。私も動悸のせいでその感覚は痛いほど分かり、当時の母の心中を察した。

人はつらいことがあったりショックを受けると心臓がバクバクするが、私の場合は心臓が勝手にバクバクして、気持ちもつらくなってしまう。4年前の状況を考えると、身体状況だけが単純な原因ではなくて、鬱状態になっても仕方ないようなストレスや負荷はかかり続けていたのだが、身体と精神の負のスパイラルは厄介だった。気休めに、「動悸がする」と口に出したりツイートしたりする癖がついた。私の気持ちがつらいのではなく、動悸がしているだけ。身体状況が狂っているだけで、私は本当は大丈夫、と自分に言い聞かせるために。

その癖のおかげで私には心臓がある、という意識が強くなった。さらにはWPW症候群の診断で、興奮を伝える異常な伝導路、ケント束の存在感まで(タバコみたいな名前だよね)。見えないもののことをこんなに意識するのは気味が悪い。自分の内側にあるものの形を想像するなんて、しなくていいならしたくない。

心臓のことで思い出すことはもう一つある。「ゾウの時間、ネズミの時間」という小学生の頃に幼馴染の家でちらっと目にした本。読んだかどうかも覚えていない。ただ、速く心臓が脈打つ動物は時間の感じ方も速い。そして速く死ぬ、逆も然り。相対性理論とかの話だったのかな。今隣屋 http://tonaliya.com でやっているミュラーの「ハムレットマシーン」でも、オフィーリアの心臓は時計って言う。一回心臓が脈打つたびに死に近づいているんだろうか、だとしたら私は人より多く進んでしまっているんだろうか、という想像をしてみる。別段嫌な感じはない。心臓って詩的な存在だ、心だもんなあ。

 

d-倉庫のハムレットマシーン http://www.d-1986.com/HM/index.html

隣屋予約フォーム(私はいつも通り音楽演出、作曲) https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdLSuvfumyVwrax210ISuoye86mf4hehuSeQhROARBJ0YxG7g/viewform?usp=send_form